千四百年の封印~聖徳太子の謎に迫る
厩戸王は何故聖徳太子と崇められるようになったのか。
その謎に迫ることで、千四百年の封印が解かれ、日本古代史は全く新たな様相を示すことに成る。
『隋書』「俀国伝」に「天、未だ明けざる時、出でて政を聽き、跏趺して坐す」とあり、六世紀末まで大王の祭祀は夜中に行われていたことが分かる。
太陽神天照が主神だったら、それはあり得ないのではないか。
七世紀初頭に神話や建国史が改変されており、どう改変されたかの謎を解明すれば、何故厩戸王が聖徳太子とされたかという謎も解明できる。
この問題意識で『千四百年の封印 聖徳太子の謎に迫る』(社会評論社、筆者はやすい)は書かれた。
これが私の古代史研究の原点である。
もう一度原点に戻って、その後の研究の発展を踏まえて、アップデートすることにする。
【後期6回】(2024年4月から)
1.小妻国と磐余彦の建国説話
木花咲耶比売が建てた小妻国出身の磐余彦一族が東征して大和政権を樹立した。
2.邪馬台国論争と筑紫倭国の盛衰
邪馬台国は正しくは山門国で筑紫倭国の中心だったが、四世紀中頃、熊襲(くまそ)に滅ぼされた。
3.四世紀英雄時代の再現
四世紀は「空白の世紀」ではなく、景行天皇、ヤマトタケル、神功皇后などの英雄の世紀。
4.五世紀覇王・聖王・悪王
大王は覇王・聖王・悪王の性格を持つ必要があった。応神・仁徳・雄略が代表する。
5.謎の継体・欽明王朝
継体で王朝交替はあったのか、欽明朝の成立期に内乱はあったかなど歴史の謎に迫る。
6.仏教伝来と聖徳太子の神道大改革
欽明朝の仏教伝来は本当か、神道大改革で太陽神信仰の国が誕生か、聖徳太子の役割は。
□10月以降も半年単位で続編を予定しています。
※前期6回(2023年10月~2024年3月)は、①梅原日本学の意義と限界
② 天皇号の成立と天御中主神③三貴神の誕生と天降り④須佐之男命との
宇気比⑤須佐之男命の狼藉と出雲の建国⑥大国主命物語――で実施しま
した。