
元龍谷大学文学部教授、博士〈文学〉平林 章仁
講座説明
2025年10月開講!
『古事記』・『日本書紀』は天皇とヤマト王権を中心とした古代の歴史を伝えています。ここでは、そうした古代国家の形成過程を描いた歴史書から離れて、同時代史料として価値の高い内外の金石文史料や別の立場で外から倭国・ヤマト王権のことを描いている海外の史料から、日本の古代国家の形成過程について考えます。そこから、日本古代の国家と社会についてどのような姿を描き出すことができるのか、新たな視点を加えて分析と解明を進めます。
2025年10月~2026年3月【カリキュラム予定】
10月3日 |
倭国と百済・高句麗の関係 |
11月7日 |
倭王武(雄略天皇)と中国南朝・宋の交渉 |
12月5日 |
埼玉稲荷山古墳鉄剣金象嵌銘文 Ⅰ |
1月30日 |
埼玉稲荷山古墳鉄剣金象嵌銘文 Ⅱ |
2月6日 |
江田船山古墳大刀銀象嵌銘文・ 隅田八幡神社所人物画像鏡 |
3月6日 |
埼玉稲荷山古墳鉄剣金象嵌銘文 Ⅲ |
※2026年1月2日は休館日のため、1月30日(金)に変更します
- 10月:「倭国と百済・高句麗の関係」
- …朝鮮半島の高句麗・長寿王が父の業績を称えた広開土王(好太王)碑文(中国吉林省集安)と、奈良県天理市に鎮座する石上神宮が所蔵する国宝「七支刀」の銘文から、四世紀後半から五世紀初めの、倭国と百済・高句麗の関係を考えます。
- 11月:「倭王武(雄略天皇)と中国南朝・宋の交渉」
- …五世紀の倭国は、讃・珍・済・興・武の五人の王が続けて、中国・南朝の宋に遣使、朝貢を重ねました。積極外交の時代ですが、五人目の武王は478年に遣使したのを最後に、日・中外交は600年の遣隋使派遣まで中断します。倭王武が478年に宋の皇帝に捧げた長大な上表文が、宋の歴史書『宋書』に記されています。この上表文を中心にして、五世紀の日・中外交について考えます。
- 12月:「埼玉稲荷山古墳鉄剣金象嵌銘文」Ⅰ
- …埼玉県行田市の稲荷山古墳から出土した国 宝の鉄剣には115字の銘文が刻まれています。これは、五世紀後半だけでなく、ヤマト王権の実態を考える上でも、第一級の重要史料と言えます。今回はその中の「辛亥年・獲加多支鹵大王・八代の系譜・オホヒコの人物像」に焦点を当てて論じます。
- 1月:「埼玉稲荷山古墳鉄剣金象嵌銘文」Ⅱ
- …埼玉県行田市の稲荷山古墳から出土した国宝の鉄剣には115字の銘文が刻まれています。今回はその中の「乎獲居臣・杖刀人首の職掌・銘文鉄剣は下賜刀か否か」という問題に焦点を当てて論じます。
- 2月:「江田船山古墳大刀銀象嵌銘文・隅田八幡神社所人物画像鏡」
- …熊本県和水町の江田船山古墳出土の国宝の大刀にも「獲加多支鹵大王世」をはじめとした75字の銀象嵌銘文が刻まれています。また和歌山県橋本市の隅田八幡神社所蔵が所蔵する国宝の人物画像鏡にも48字の銘文が刻されています。そこから「埼玉稲荷山古墳銘文に見える乎獲居と江田船山古墳大刀銘文に見える牟利弖の共通点と相違点・獲加多支鹵大王世の統治の実態」、「癸未年と大王・継体天皇関連の史料となり得るか否か」等の問題に視点を定めて論じます。
- 3月:「埼玉稲荷山古墳鉄剣金象嵌銘文」Ⅲ
- …埼玉県行田市の稲荷山古墳から出土した国宝の鉄剣には115字の銘文が刻まれています。今回はその中にみえる「大王」号が「天皇」号成立以前の倭国王の正式称号であったか否かについて検討し、さらに銘文の「治天下」の歴史的意味について追究します。
- 講座タイプ
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常設講座
- 初回講座日
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2025年10月03日
- コース
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原則第1金曜10:30~12:00
- 受講料
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6カ月6回
16,500円
- 受講のしかた
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大阪
【講師詳細】
講師主要著書『鹿と鳥の文化史』白水社、1992年。
『蘇我氏の実像と葛城氏』白水社、1996年。
『三輪山の古代史』白水社、2000年。
『神々と肉食の古代史』吉川弘文館、2007年。
『謎の古代豪族葛城氏』祥伝社、2013年。
『天皇はいつから天皇になったか?』祥伝社、2015年。
『物部氏と石上神宮の古代史』和泉書院、2019年。
『雄略天皇の古代史』志学社、2021年。『神武天皇伝承の古代史』志学社、2023年など
電話でのお問い合わせは06-6346-8700へ