0円札に価値はあるのか
本の出版が当初の発売日より延期となりました。講座日も変更することとなりました。 新たな講座日は決定次第、お知らせします。 本の発売は8月中旬以降を予定しています。 常設講座「数の辞典」講師、澤宏司さんの本が発売 著者で講師の数理科学者、澤宏司さんは毎日文化センターにて2023年10月より「数学」に関わる常設講座を開講。身の回りにある数学をわかりやすく解説しています。一日教室では「0円札に価値はあるのか」をテーマに講演します。講師オリジナルプログラム「サワ☆博士の数楽たいそう」で脳トレもしながら、楽しく学びましょう。 0円札に価値はあるのか どんな数に0をたしてもひいても数は変わらず、0倍するとすべて0になります。 新紙幣発行の昨今、「もし0円札があったら…」をきっかけに、 数の中で唯一「ないこと」を表す数、0について考えてみましょう。 ゼロから始まる物語はイチになるでしょうか? 0に価値はあるかないか 『数の辞典』(雷鳥社より2024年8月中旬発売予定)より ほとんど見かけない2000円札を含め、日本の紙幣と硬貨は全部で10種類ある。小数や分数の貨幣はない。マイナスのものがあったら互いに押し付けあうだろう。ここで0円札を想像してみよう。1000円札には1000円分の価値があるように、0円札には0円分の価値がある。0円分の価値とは「価値がない」ことだ。お札はあるのに価値はない。しかも0円札を作るのにもお金がかかる。0は時に哲学的な問いを生み出す。20世紀生まれの美術家、赤瀬川原平の《大日本零円札》という作品は高額で取引された。0の不思議は増すばかりだ。 本の詳細はこちら→版元ドットコム